204 SON
light object type a
schematic design: | 2004.8-10 |
design development: | 2004.11.21 |
complete: | 2004.11.23 |
collaborator: | kurihara, suzuki, ozaki, teramoto, ohira |
概要
スイスで生活をしていたころから一変し、日本に戻ってきてしばらくたったころのことである。いつも自分の背後に高くそびえ立っていたスイスアルプスがなくなってしまったショックから、この一連の創作は始まった。まさに自分の意志ではなく、自分が得体の知れない衝動によって動かされて創作活動に励んだ最初の作品である。自分の心の中にいた相棒を取り戻すために、まずアルプスでの旅の風景を自分の頭の中で再構成していく。どうしたらあの山が作れるのか。スケールはとてつもなくでかいし、すごく複雑だ。そんな中、山の形成方法などを少しずつ整理していくと、ある幾何学的秩序があることに気づき、それを元にこのオブジェができた。しかし、できたものは、求めていたものには近づいてはいたものの、何かが足りなかった。なんども写真を見直した。そして、気づいたこと。それは写真には載っていないもの。まぶしい太陽の存在であった。太陽は、このダイナミックな山の形に大きな陰影をつくり、谷間に深い影を落とす。太陽に見立てた何もデザインされていないただの光源を、このオブジェに近づけた。すると、オブジェは、陰影を帯び、影を深く落とした。まさに、私がみたあの山の風景である。